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ハイブリッドカーというのは、単純にモーターだけを追加すれば済む…という話ではありません。

現在の車のエンジンルームはギリギリで設計されているために、余計な機構を組み込むためにはさらに空間を空けるために再設計し直す必要があります。

また、走行用の大型電池も普通のガソリン車には無いもので、この格納場所も確保しなければなりません。従来モデルではトランクルームを狭くしてそこへ格納していましたが、これだと今度は顧客からゴルフバッグが積めないなどの苦情が出るのです。

電池は最重量物であるために、高い位置へ設置すると衝突した際に転倒の危険性が増します。これが背高ワゴンなどですとさらに重心が高くなるために危険となるのです。

この荷室が犠牲になることと重心が上がることによる転倒の危険性が、SUVやワゴン車にハイブリッドが少ない最大の理由です。
エスティマやアルファードなどのミニバンは、ハイブリッド用に専用開発されたシャーシを使っているため可能なのです。次期ノア/VOXYやアル/ヴェルも専用開発。

他のメーカーですとハイブリッド専用にシャーシを開発する資金的な余裕がありませんから、HVのラインナップ展開はトヨタに比べても遅れています。

プリウスαの場合、5人乗りはニッケル水素電池を荷室の下へ配置しているところを7人乗りはリチウムイオン電池にして小型化してセンターコンソールへ配置、これで空いたスペースへ3列目のシートを設置しています。

今後、リチウムイオン電池の量産化で価格が下がってくれば、電池も搭載しやすくなりますから設計自由度が増しますのでハイブリッドのラインナップは増えてきます。

それとトヨタの販売戦略として、現在ハイブリッドはほとんどが「専用車」として登場しています。これは、日米の場合"新しい物好き"というところがあるためにNewブランドで展開しています。これがプリウスでは当たったのです。
だから"アクア"もヴィッツHVではなくHV専用の新型車として登場しています。EUでは逆にプリウスが売れていないためヤリス(ヴィッツ)HVを販売します。

今後、HVが珍しいモノではなくなった時に、従来の小型車のモデルにもハイブリッド仕様は順次拡大してくると思われます。