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ジャガーと、国産高級セダンを比べるのは、決して適切ではないと思います。
一度、冷やかしでディラーに行かれて、ジャガーの後席に乗ってみてください。ただし、「絶対に買わない。ただの冷やかし。新車の香りにだまされない。ディラー店の店構えや営業マンの高級感に左右されない」という気持ちを強く抱いてから、ですよ。
後席に乗ってみて、目をつむって、このまま２時間ノンストップで座り続けることを想像してください。座面の小ささとか、ヘッドクリアランスの狭さとか、ひざから前席までの窮屈さとかが気になってくるのではないでしょうか。
一昔前、国産にも、マリノとかエクシブとかカリーナＥＤなんていう、スポーティーセダンが数々ありました。４ドアセダンなんですが、前席も狭くて、後ろ席なんて荷物しか置けないゴミだったんですが（福野礼一郎さんはじめ、複数の自動車評論家がゴミと評し続けていました。そのせいか、すでに販売されていませんが）、ジャガーっていうのは、そういうゴミ車をすごく高級にして、また、サイズをでかくすることで、スペース的なダメさ加減をクリアした、究極のデートカーです。と思っています。
３年落ちで３００万前後っていう下落ぶりに驚いていらっしゃると思うんですが、１０年以上前から、ジャガーっていうのはそういう車です。
ただ、実はジャガーって、新車のときから中古車っぽい香りの漂う車でして、中古車になってもヤレ・タレが気にならない車なんです。実用セダンではなく、究極のデートカー。そういう位置づけをご理解されたうえで、イギリスっぽい優雅な走り味（ドイツ車のビシッとした走りとの対比で）がお好きで、でもって「ジャガー」っていうブランドをよく理解されているのであれば、すごくお勧めな車です。
かくいう私も、１０年ほど前に「ソブリン」という車を真剣に探したことがあります。
日本のオヤジの意見を聞き続け、オヤジのための改良を重ね続けてきたクラウンや、海外マーケットを調べつくして開発したレクサスと比較して、満足できるかといえば、絶対に満足できません。
前述のジャガーというキャラクターを全部受け入れたうえでなら、すごくお勧めです。新車で買うより、はるかに賢い買い物ができると思いますよ。
数年後のリセールは、まったく期待できません。３年でびっくりするくらいの「値崩れキング」ですから、数年後のリセールは、値崩れエンペラーです。