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Z1 は、1985年に BMW の M スポーツ・ディビジョンから独立した子会社の BMW テクニック社（BMW Technik GmbH）により造られた． 1987年のフランクフルト・ショーに出品された Z1 は、テクノロジーの懲りようを見せつけ、その後8万3000マルク（当時のレートで約630万円）というプライスタグが付けられた． そして1988年に市販が開始された．
しかし、その高額が故、3年間に8000台が送り出されたに過ぎない． この数字はテクニック社が予想していたもので、潜在顧客数が最も多い北米には輸出されなかったことから、元々量販する気がなかったようである． なお、Z1 の”Z"は、ドイツ語で未来を意味する”Zukunft"からとられている．
亜鉛鋼板と FRP 製の複合モノコック・シャーシ、全面プラスティック製のアウターパネルで構成されたロードスターモデルのボディサイズは 3921 x 1690 x 1277mm、車輌重量は 1250kg である． エンジンは、最高出力 170HP/5800rpm、最大トルク 22.6kg-m/ 4300rpm の E30 用 2494cc、直列6気筒 SOHC エンジンがそのまま流用された． エンジンはフロント・アクスルよりも後方に積まれ、前後の重量配分が 49：51 と優れた数値を示した．
Z1 の最大の特徴は、車外のドア開閉ボタン、車内のドアハンドルにより、電動で上下にスライドするように開閉するドアである． ドアと窓の動きは連動していて、ドアを下げると窓ガラスもそれに連動して必ず一番下まで下がるようになっている． そのため、ドアが一番下まで下がった上体でも、サイドシルの高さが高いので、乗り降りにはやや不便である． このドアは開けたままでも走行可能であった．
外装色は、toprot（レッド）、traumschwarz（ブラック）、urgrungreen（グリーンメタリック）、fungelb（ファンイエロー、淡いクリーム色）の4色が初期設定で、終盤では purblau（メタリックブルー）、magicviolett（メタリックパープル）が追加されている．