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デュアリスのATFは交換しないでください。

●どうして交換しないのか？
まず下記URLをご覧ください。

http://www.jatco.co.jp/PRODUCTS/at_qa.html

これは，CVTFやATF交換によるトラブルが多いからです。

ATやCVTは，クリーンルームのような非常に清浄度の高いへ部屋で組み立てます。当然，オイルや部品には，ホコリやゴミが絶対に入らないよう，管理しています。

一方，クルマ関係の量販店の状況はどうでしょうか？ こうしたホコリやゴミの侵入を妨げる工夫がされているでしょうか？

こうしてATやCVT内にゴミが入り，ATやCVT交換にいたるケースがしばしばあり，製造メーカでは，ATFやCVTFの交換を不要にしたのです。もし交換不要の変速機の封印を破って，信頼の置けるディーラ以外で交換した場合，当然ながら補償対象外です。

ただ車両メーカや車種によっては，10万キロ以上あるいは高負荷走行条件の場合には，交換の必要があるばあいがあります。しかし一般的な車両では，交換不要なのです。

●各社の対応
以下，各社の交換の必要性について示します。

★トヨタ
http://toyota.jp/after_service/tenken/maintenance/engine/index.html

シビアコンディションの時には，10万キロ交換。通常使用では，交換不要。

★日産 （ジヤトコのホームページ）
http://www.jatco.co.jp/PRODUCTS/at_qa.html

一部のCVTを除き，交換不要。


●10年前の常識
10年前までは，下記のようなことが常識でした。

・ATFは5万キロあるいは10万キロで交換
・エンジンオイルは3000キロごとに交換
・エンジン始動時には，暖機5分間

これらは現在の常識から見ると，まったく間違いです。下記の現代の常識です。

・ATFは，特殊な場合を除き交換不要
・エンジンオイルは，1.5万キロ（欧州では2.5万キロ）ごとに交換
・エンジン始動時は，-10℃以下では，暖機するが，それ以上では暖機不要

ちなみに「エンジンオイル交換 3000キロ」というのは，30年前には，夏用オイルと冬用オイルを半年ごとに入れ替えていたからです。この時，半年で3000キロくらい走るというので，この「決まり」ができたのです。現在のオイルは「夏冬兼用オイル」です。しかもカローラでは，交換サイクルは1万5千キロです。3000キロではありません。

●誤解
よくエンジンオイルやATFを交換して，クルマの動きが良くなったと感じることがあります。これは大変危険な兆候です。量販店によっては，下記のような不誠実な対応をしているからです。

・ATF … 購入者の指定オイルとは別の安いATFを充填。粘度が低く，フリクションが小さいので，エンジンが軽く回る感じがする

・エンジンオイル … 購入者の指定オイルとは別に，安いオイルと古いオイルを半分半分にして充填。オイル粘度が低くなり，これまたエンジンは一件，快適に動く。しかし粘度不足により，潤滑異常をおこす

このため，もし量販店でATFやオイルを交換する場合，その作業工程や充填用具の清浄度を監視しておく必要があります。エンジンオイルなどは，非常に汚い容器で入れているのが一般的ですから。つまり「薬」を入れているつもりが，「毒」を入れていたのです。

もちろん信頼の置けるディーラや量販店も数多くあります。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。