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日本で表示されている燃費は、排ガス規制で使われている10・15モードを利用しているので燃費の目安としてはかなり不正確です。
測定は、シャーシダイナモと呼ばれる測定台の上で車を走行させて測定します。
通常走っているのとは異なり、同じ場所で走行するのですから、空気抵抗等の損失が無い状態での燃費となってしまいます。
実際に走行すると空気抵抗がかなりの負荷となりますから、概ね10・15モードの７～８割程度の燃費となってしまいます。

CVTとMTの差は、下の画像のようにエンジン回転数の変化が異なります。（図は10モードの例です。）
画像でわかるようにエンジン回転の変化が少ない期間が長いほど燃費は向上し、エンジン回転変化が大きい期間は燃費が悪化します。
エンジンは一定の回転数で回転が低い程燃費が良くなります。
CVTはエンジン回転と車速が比例しないため、比較的効率の良いエンジン回転を維持し、速度とエンジンの差はCVTの変速比を最適な値に制御することができます。
MTでは変速比はギヤの組み合わせの数しかありませんから、当然CVTより燃費が悪くなります。

10・15モードという比較的低速での市街地走行だけ使う環境だけ車を使うことは無いため、高速走行ではCVTでもMＴでも変速比は低い比率で一定となります。
どちらも一定となるので、論理的には燃費は同じ程度になりますが、CVTは構造上プーリーを固定するための高圧の油圧が必要となり、油圧を作り出すためのエンジン出力分が損失となってしまうので、MTの方が燃費が良くなります。

①実際にはMTはシフトチェンジの方法で燃費は大きく変わります。
積極的にシフトアップして走行すれば、CVTよりも燃費は良くなります。
10・15モードという実際の走行とはかけ離れたパターンでの燃費なので、MTの方が燃費が良いケースはいくらでもありますから、燃費に大きな差があると見るのは間違いでしょう。
ちなみに、10・15モードで良い燃費値を出すようにメーカーは設計しています。
そのため、実際の走行では走り難い車となってしまっている面もあります。その点ではMTの方が優秀でしょう。
ただ、クラッチ操作が必要ですから、イージーな運転はできませんけど。

②実際の走行ではMTの方が燃費が良いこともありますし、何より運転する側が意思を持って車を操ることが重要と考えているユーザーも居るのですから、その市場があればメーカーは車種として設定します。

CVTよりもDCTの方が燃費も良くMTに近い走行性もあるので、将来は欧州のようにDCT化が進むと思います。
ただ、開発・量産に多くの投資をしてしまった日本メーカーは当面CVTからは抜け出せないと思います。