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プリンタの修理屋です。

専門外のメーカーですから、参考までに・・・・

なぜ、分解までして洗浄できる方が、そんな簡単なことに気が付かないのでしょうかね？
こういう話をよく聞くからなのですが・・・・

キヤノンにしろ、エプソンにしろ、目に見えないような小さい穴からインクを噴射しているのですけど、どうやってインクを噴射しているか考えられたことはあるのでしょうか？
エプソンの場合はピエゾ素子の変形によってインクを飛ばしていると聞きますし、キヤノンはノズルに仕込んだヒーターでインクを加熱＆瞬間沸騰させてインクを飛ばします。

個人的な経験値になりますけど（社外インクは基本的に使いませんので、その分は差し引いてください）、ノズルチェックパターンで欠けがひどい場合、ノズルの穴が詰まるよりも、ノズルの制御回路が故障していることのほうが多いです。


今回の例にしても、穴を掃除して噴射しないのであれば、制御回路の故障と考えるのが妥当でしょう。
制御回路といっても、ヘッド内部の制御回路と駆動回路、メイン基板の制御回路のトラブルが考えられます。
過去の実勢から考えると、圧倒的にヘッドの駆動回路ですね（キヤノンの例ですけど）。


追記 ： 最初にお断りしたとおり、エプソンは専門がですので推測もあります。
言われるとおり、回路の問題であればすぐに出なくなって当然ですね。

ただ、インクを噴き出すための駆動回路は少々事情が異なります。（駆動回路と言いましたが、インクを噴射するためのヒーターとかピエゾ素子まで含めてです）

キヤノンなどではヒーターを使いますので普通はいきなりでなくなることが多いのですが、ヒーターといっても一つのノズルに最低でも２つくらいは仕込んでいます。
（大小２つのヒーターを使い、噴射なし、小のみ噴射、大のみ噴射、大小合わせて噴射と４階調を表現できるようになっています）
こういう場合、ヒーターの破損が徐々に進むと最初に小さいヒーターがきれ、そのうち大きなヒーターが切れるという現象があります。

ピエゾ素子の場合、ある電流を流すと、その電流量に比例した変形量が得られる素子と聞いています。
素子が弱ってきたり、何かの加減で永久変形になってしまうと、電流を流しても素子の変形量が不足してインクが出なくなることは十分に考えられます。
ゴムとかバネ度動かしている機械でも、何度も使ったり、想定を超える負荷をかけたりして使っていると、バネやゴムが伸びたりしますね。
ピエゾ素子でも十分に考えられることですね。
１秒間に何回伸縮を繰り返すのか・・・考えらだけでも気が遠くなる回数でしょうね。
（キヤノンのヒーターでも何度も何度もヒーターのＯＮ、ＯＦＦを繰り返し、その分温度が上がったり下がったりを繰り返すわけです。）
物理的な変形ですから、それが永久変形に変わっていくのは徐々に進行していくでしょうね。

これらの素子と駆動回路は、一体不可分であることが多く、前の回答では駆動回路と表現してしまいましたが、いささか不適切な表現だったのかも知れません。


まあ、結局はヘッドチップの不良の可能性が非常に高いということなのです。
どこのメーカーも洗浄など勧めていないのですが、成功した例に倣って洗浄しても変化がないのでしたら、ヘッド不良という単純な話と考えてよいでしょう。