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なかなか良いアンプを購入しましたね。
フロントにどんなスピーカーを使ってるのか知りませんが、テレビのスピーカーをセンターに使おうなんて絶対に考えないでください。
両端のスピーカーと同じ音にはならないのでつながりがなくなります。
たとえば車が左から右にビュンと通り抜けて欲しい場面なのに、テレビの位置で音が変わってしまうのです。

通常でもホームシアターにセンタースピーカーなんて必要ありません。
センタースピーカーは「台詞が聞こえるように」というのが目的です。
そのためにスクリーンなら裏に設置するのですがテレビなら上下のどちらかに置くことになります。
これが泣けてくるほど不自然なんですよ。
テレビのスピーカーを使うと音が変わると書きましたが、上か下にあったらビュンと通り抜けてほしい車が中心でビョーンと上か下に引っ張られてしまうのです。
それを電気的に処理して画面の中央に定位させる技術もありますが、さらに不自然な音になります。

試してみるのなら止めませんが、私のおすすめは「センタースピーカーなし」です。
AVアンプの設定で使わないモードに切り替えられるはずです。

もともとセンタースピーカーというのは広い劇場用です。
常に中央の席に座れたらいいのですが大ヒットしてる映画などではそうもいきません。
ステレオなら左端の席に座った人には右のスピーカーから出ているセリフが聞きづらくなります。
それを解決するために考えられたのがセンタースピーカーです。
スクリーンの穴を通して出るからこもった汚い音になるのですが「セリフが聞こえないよりはマシだろう」という苦肉の策です。
劇場でも中央の席に座ったら左右のスピーカーからの合成だけでセリフもきっちり中心から聞こえるのです。

シネコンならヒットしそうな新作は数百人は座れる大きな劇場で上映しますが、何日か経つと定員が100人強ぐらいの小さめの劇場に移されます。
そんな空間なら端の席に座っていても反対側のスピーカーの音も耳に届くのでセンタースピーカーなんて必要ないのです。

一般家庭のホームシアターでは音が悪くなるだけでセンタースピーカーを使う利点はひとつもないと断言できます。
オーディオなら数百万円もする高級な製品でもセンタースピーカーなんて使わないのを考えたら理解できると思います。
左右から出る音でボーカルはきっちり中央に定位するんですよ。
センタースピーカーは「大きな映画館用」の規格をそのまま家庭用に持ってきたから無理だらけなのです。

リアスピーカーだけを買ってセンタースピーカーなしの4.1chを試してみてください。
ただしアンプの切り替えを忘れるとセリフが聞こえない映画になってしまうので注意してください。

何百万円もする高級品を使ってるマニアは4.1chではなく4chで聴いてる人も多いですよ。
それぞれのスピーカーが十分な低音を出すのでサブウーファーなんて必要ないのです。
(低音が複数から出ると干渉を起こすのでよほど上手にセッティングしないとスピーカーの性能を引き出すのは難しいですが、マニアはそれに挑戦するのが喜びなのです)

初心者は「5.1chと書いてあるから」という理由で「何のためにあるのか」を考えずに6本のスピーカーを用意しようとしますが、それでは音が悪くなるだけです。