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プリンタの修理屋です。

本当に電車の中で吊る広告なのでしょうか？

地域や計画の規模にもよるでしょうけど、常識的に考えると制作方法は非常識といっていいんじゃないかな？

一番の問題は、何枚程度作るのか、費用はどのくらい掛けられるのかという事。
混雑する電車といわれていますので、印刷数は少なくとも数千枚以上では？

あくまでも個人的な経験値ですけど、インクジェットプリンタのメリットが出せるのは100枚程度までです。
（ただし、一般的なＡ４サイズのインクジェットプリンタでの話）

特に、この手の機械は大量印刷は想定していないことが考えられます。

機械の故障、インク代、用紙代などを考えると、印刷会社に依頼するほうが圧倒的に有利じゃないかとは思います。


インクジェットプリンタで画質を出そうとすれば、大量のインクを少しづつ何度にも分けて噴射していくのが基本です。
用紙はそのインクを吸収するために厚さが必要になります。
光沢紙等が厚くなるのはそのためです。

電車の中の吊広告は定期的にかけ替えていると聞いていますし、その作業は限られた時間の間に手早く行われるはず。
薄い紙で仕上げられた広告に対して、光沢紙などの厚い紙を使うと重量もかさんで作業する人に断られる可能性もあるのでは？

印刷業者は、薄い紙の表面にコーティングをした用紙（泥のようなものを塗りつける、と言う表現を聞いたことがあります。）に判でインクを押し付けていきますので、紙の厚さには左右されない画質が出るはず。
版で押すだけの作業なので、印刷作業の時間は比べ物にはならないほど速いわけで、印刷にかかるコストは低いです。

問題は、版が高くなることです。
プリンタは版は不要ですけど、１枚あたりのコストは高くなりますし、時間もかかります。
印刷数が多くなれば、１枚当りの版代はどんどん安くなります。
1000枚を超えるようでしたら、印刷業者で見積もりを取るほうが有利だと思います。

吊広告の印刷実績などもあるでしょうから、私などが知らないようなノウハウも持っているかも知れません。


何かの社会実験と言うのでしたら話は変わります。
すでにPX-H10000をお持ちでしたら、余計な出費になってしまうとは思いますけど、長尺印刷に対応したカラーレーザープリンタはいかがでしょうか？

たとえば、キヤノンのLBP9100Cは基本はＡ３までですけど、長尺印刷では297mm×1200mmまでが可能です。
インクジェットの光沢紙に比べればツヤはかなり落ちます。
一般的な広告と変わらないような反射になると思います。
用紙自体も安い用紙で大丈夫なはず。

インクジェットのマットコート紙は、表面のツヤはないのですけど、かえって発色がきつく感じることもあって、個人的には好きではありません。
全色が蛍光インクのような感じを受けます。
ただ、これは人によって差があると思いますので、実際に印刷して試すしかないでしょう。