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車に付いているFMラジオを思い浮かべてください。
「《」や「》」のキーを押すことで手動で無段階に選局周波数が変わります。
聞きたい局があったら、その場所で1～6の番号のキーを長押しすると、次回からは番号キーを押すだけで聞きたい局を選局出来ます。(「プリセット」という操作です)
一方のCVTですが、CVTそのものはギヤという概念ではなくプーリーとベルトで無段階に変速比が変わります。
マニュアルモードにしますと、メーカーであらかじめプログラムされた変速比になるようにCVTの変速を「固定」します。
先ほどのFMラジオのプリセットと同じようなことを変速機で行います。
これにより、マニュアル車のギヤチェンジの「ような」走行感覚にしています。もちろんクラッチ操作はありません。
パドルシフトとは、この操作をシフトレバーではなくハンドルから手を離さず出来るように設置されたスイッチです。
自動車のミッションはマニュアルから有段ATになり、さらに今はCVT(無段変速)になりました。
これは運転から変速操作を無くし、さらに効率を追求した結果です。
エンジンは実に気まぐれな原動機で、最大馬力や最高の燃費を出す回転数が決まっています。(どの回転でも最大馬力が出るわけではない)
しかし車はまわりの状況に合わせて速度を変える必要があります。(停止も含めて)
速度も変えて、なおかつエンジンに一番有利な回転数を保つことはマニュアルミッションでは不可能ですよね。
これを突き詰めていくと結論は無段変速機に行き着くのです。
エンジンに有利な回転数を保ったまま速度を変えることが出来ます。
無段変速が可能になったのに、わざわざ無段変速をしない状況に切替えることは「趣味」以外の何者でもありません。
エンジンが吹け上がっていく感覚を味わえるようにした「演出」です。
全力加速にしても「車任せ」が一番速いです。人間と比較にならない正確さと速さでプロセッサーが処理します。
車は趣味性の高い乗り物ですので、この仕掛けが悪いものだとは一概に言えませんが、実用上は効率も含めて必須ではありません。
マニュアルモードが無くても同じCVT車でしたら燃費、加速は変わらないはずです。
長文失礼しました。