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自動車の価値は下記の2つの面があります。

(1) 道具 … 人やモノの移動手段のひとつです。他の手段に比べて，使用者の自由になる度合いが強くパーソナル性があります

(2) 文化 … 趣味も含めて，文化のひとつを担っています。速度100km/hの道路を走るだけなら，もっと性能が低いエンジンでも良いのですが，運転の楽しみ，そしてクルマという存在自体に価値があります。もちろん人により価値観が異なるように，クルマの文化度はいろいろです

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●OHVエンジン
その前のサイドバルブのエンジンからみれば，燃焼室がコンパクトになる分，冷却損失が小さくなり，エンジンの出力・効率（燃費）が良くなります。しかしその後のOHCやDOHCに比べると下記のようになります。

・バルブ配置 … 片側に来ますので，いわゆるクロスフローが実現できにくくなります
・回転慣性 … プッシュロッドを含めた慣性質量が大きくなり，高回転には向かなくなります
・エンジン高さ … OHCのようなカムシャフトがないため，ヘッド回りの構造が簡単です。このためエンジン高さが低くなり，特に大排気量エンジンではエンジンフード高さが抑えられ，デザイン的に有利です

●ターボとの組み合わせは
ターボ・チャージャやスーパーチャージャを組み合わせると，小さな排気量で高出力を発揮できます。このため7000rpmとか8000rpmという高回転エンジンにする必要が無くなります。その意味で，OHVとターボの組み合わせは理にかなっています。

●ノスタルジィー
クライスラーのHEMIエンジンは，30年前には最新型でしたが，今では，旧式です。しかしHEMIのイメージを大事にし，現在もDOHC化しないで，OHVの半球型燃焼室（ヘミスフェア）のままにしています。

このようにエンジンに設計に必要な要件（吸排気弁大型化など）を軽視し，HEMIのようなイメージを大切にするのは，ノスタルジィーのひとつと言えるでしょう。クルマが「道具」だけではなく，「文化」の側面を示しているといえます。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。