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自動車の変速機には従来からMTとATがあります。

MT：
いわゆるクラッチを繋ぐと言うヤツで、クラッチはヤスリのような物を2枚合わせていると考えてください。この2枚のヤスリを強力なバネで押しつけており、ギアを変速する際にバネの力を足で押してやることによって「クラッチを切る」のです。これでエンジンと車輪が完全に切断され、その間にギアをチェンジします。

AT：
クラッチの代わりにトルクコンバーターというものが入ります。瓶に入った水飴を想像してください(水飴がATオイルです)、この中に割り箸を立ててゆっくりと回すと割り箸は水飴の中を移動します。この状態での抵抗がクリープ現象です。
が、次第に早く回していくと割り箸と一緒に瓶も動くようになっていきます。これがトルコンの役目で、ギアチェンジをする際のエンジンと車輪の回転差を吸収しています。これがMTに比べてATの燃費が悪くなる理由です。

ここで、フェラーリのF1マチックやランボルギーニのe-gearというのは、基本はMTです。クラッチを切るという人が行う操作を、コンピューターが油圧を使って行います。

また、ポルシェなどのPDK/DSGというセミATはフォルクスワーゲングループで使用されているのですが、2系統のクラッチを持っていて1/3/5/7速と2/4/6速で使い分けています。
DCTは1速を使用中に次の2速を準備してフリーな状態でシンクロさせています。2速へアップすると、今度は1･3速のギアが待機している状態になっています。2つのトランスミッションを交互に繋ぎ替えるだけなので、MTとATのいいとこ取りをした上で高速にチェンジできるという仕組みです。

ボッシュが開発した物なのですが…このため、ベンツAMGやフェラーリもカリフォルニアと458はこのタイプ(DCT)になっています。（今後、このタイプが主流になる）

以上が一般的には2ペダルMTと呼ばれます。基本はMTなのでトルコンATのような使い方をしていると壊します。
高額車を新車で買うお金持ちはコレを知らずに粗雑に扱うので、中古で買うとヒドイ目に遭うのはこのためです。

これ以外、通常のトルコンATにパドルシフトだけを装備したモデルは普通のATです。
見分け方は、クリープ現象があるか無いかです。(最近のDCTモデルには擬似クリープ現象が設定されています)

※)DCT/Dual Clutch Transmission