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ケイマンはミットシップで，911はRRとレイアウトが違いますが，このレイアウトの差が，二つのモデルの性格を決定づけています。
911のRRのレイアウトは，根本的にトラクション性能以外での利点があまりないという不利なレイアウトなのですが，歴代の911という車があまりにも強烈であったために，928や924・944・964とポルシェは何度となくRRレイアウト以外のモデルに挑戦しながら，これらのモデルがユーザーに受け入れてもらえず，ある意味相当無理して，ポルシェは911を第一級のスポーツカーに仕立て続けてきました。
その執念には敬服しますし，人々はそのポルシェの意地とも言える努力自体に惹かれて911というモデルを熱狂的に支持しているのです。

ただ，ケイマンが登場して，ちょっと状況が変わりまして，実はこのケイマンはポテンシャルそのものは911よりも高いらしく，同じメカニズムを組み込んだ場合には，911を凌駕すると言われています。
それは，やはりミットシップという自然なレイアウトの方が，絶対的に有利なことを示しています。

しかし，911はポルシェにとって絶対的な存在ですし価格も高いですから，もっと価格の安い下のレンジがケイマンが，911の性能を追い抜いてしまうことは絶対避けなければなりません。

そこで，ポルシェがとった方法は，ケイマンには911からデチューンされたパーツを組み込んで，意図的に性能を落として序列をコントロールしているようです。

ですので，性能・クオリティを含めてどちらが優れているかということになると，やはり911と言う事になります。

ただ，ケイマンはポテンシャルは素晴らしい車ですし，911を何台も乗り継いだ人でもなければ，おそらくケイマンでも充分満足できる性能は備えていますから，ケイマンを選んでもけっして間違いではないと思います。

そして，911のように呪縛に捕らわれていないだけ，ケイマンには気楽さがありますから，その事も魅力になっているのではないでしょうか。