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AR5は魅力的ですが、私的にはAR3のダイレクトさがウッドコーンの描き出す世界にとても合っているように感じていて好きです。技術的な困難度など抜きにして言及すれば、AR5のウーハーがもう少し大きければ感じが変わってくるのだろうと思います。補足）これは好みの分かれるところであると申しておきたいです。ビクター側も図ってか図らずがAR3はナローレンジな中にストレートな情報量を、ただし、必ずしも奇麗とは言い切れない粗野な部分も併せ持たせており、この部分が時としてぞくっとするような艶かしい表現をしてくれます。弦のソロ、金管のアタック、打楽器のアタックなど張り出しの表現は、小さいボディーのくせに驚かされるような描写をします。逆に、オーケストラでも幽玄な表現が多ければ、AR3の良さは、フルレンジスピーカーで聴くという最近の日本のオーディオに失われたココロそのものだと思います。幽玄かつ奇麗な描写にこだわった日本のかしこまったオーディオ路線に収まり切らない光ったものを感じました。裏を返せば粗野なところがあります。粗野なものを良しとはしない日本的感性においては評価されないかもしれません。私は好きなんですけども。対して、AR5は、今までのウッドコーンに無い純粋に奇麗な表現をしてくれるようになりました。嬉しいのは、ローもハイもユニットの材質がウッドであるのでそのためか、音色が揃っていることです。ですので、幽玄なオーケストラの奇麗な描写、ウインドのハイエンドの息づかいといった非常に細やかな部分が根本的に改善されています。ただ、私が感じたのは、AR3にその要素を付け加えたのではなく、AR5は独自にAR3とは異なる路線にいるように感じることです。なので、どこか聴いたことのあるような気のする音です。ローエンドもハイエンドも２ウェイですから悪くいえば欲を出して伸ばしています。ちょっとそこには？？？と言うものを感じざるを得なかったです。私のファーストインプレッションではAR3ほど衝撃的ではなかったです。簡単に展示されている機種ですから一度お聴き下さい。FMチューナーのノイズをザーっと流してみてその差に驚くのも面白かったです。