109

view

1本で全てをこなせる万能なレンズなど、存在しません。まず、ズーム可能な範囲の広い高倍率ズーム(18-200㍉、18-270㍉など)ですが、これは機材の数を最小限に抑える必要のある旅行などでは威力を発揮し、実に強い味方になります。でも、高倍率ズームは広大なズーム可能範囲(ズーム比)を得るために、レンズ性能を犠牲にしざるを得ない面が有るのです。ですから、高倍率ズームは、ズームできない画質重視の単焦点レンズはもちろん、一般的な標準ズームや望遠ズームに比べても画質のハンディを避けられない面が有ります。(特に望遠寄りの側で画質のハンディが目立つ事が多いようです)ですから、大きなサイズに伸ばす場合や、より高い画質にこだわる場合などには不向きのレンズです。また、高倍率ズームで明るいレンズを作るのは困難を伴い、もし作ったとしても、とても大きくて重い、実用的では無いレンズになりますよ。但し、Nikonの「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VRⅡ」は、高倍率ズームとしては画質のハンディを低く抑えている、良いレンズ性能を持つ高倍率ズームレンズです。(しかし、それは高倍率ズームとしてはという意味です)Nikon用の高倍率ズームでは、これが一番ベストです。(値段はメーカー希望小売り価格が10万円を越える高価なレンズです)明るいレンズという事になれば、ズームできない画質重視の単焦点レンズか、大きく高価な高級ズームレンズになります。ズームレンズでも大きく重く高価で、ズーム可能な範囲もさほど広くない高級ズームレンズになります。身軽で軽快な撮影に適したレンズとは言えませんが、こだわりの作品づくりや、明るさに恵まれない条件の撮影には威力を発揮します。ズームできない画質重視の単焦点レンズなら、画質の良さに加えて、ズームレンズで避ける事の難しい歪曲(像の歪み、建物や家具、棒などを撮影すると目立つ。広角端などで顕著)の無い画像を得られます。また、明るい高級ズームレンズよりも軽量で済みます。AF速度なら、Nikon純正のAF-Sレンズが何といってもベターです。レンズは、用途や目的によって様々なものが用意されているわけであり、全てのレンズに適切な用途とメリットとデメリットが有るわけで、全てを1本でこなす万能レンズなど存在しません。目的に合ったレンズを状況に合わせて使用する事以外にはありません。このカテのカテゴリーマスターさんの名言を借用すると、いかなるレンズも「魔法の道具」ではありません。