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その逆です。非常に高い商品です。ここでは，ベースとなったプリウスと比較してみましょう。

●同じところは？
・ハイブリッド機構
・電池
・排気熱再循環システム … 排気の熱でエンジン冷却水を早く暖機させる

●異なるところは？
・エンジン … プリウスは1.8L，SAIとHS250hは2.4L
・リア・サスペンション … プリウスはトーション・ビーム式（安い，操縦安定性は劣る），SAIとHSはダブル・ウィッシュボーン式
・EGRクーラ … プリウスのみ装着
・電動ウォータポンプ … プリウスのみ装着
・太陽電池システム … プリウスのみオプション設定あり。太陽電池で乗車前の換気。空調負荷軽減→燃費改善

●まとめ
レクサスHS250hとトヨタSAIは，プリウスに対して下記を変えたものといえます。

・エンジンを排気量アップ → 車格をプリウスより上げる ＋ 欧州での加速性能に対応
・サスペンション変更 → 欧州での操縦安定性改善
・燃費改善部品を一部省略 → コスト低減。燃費最高ではなくても良い

つまりプリウスのように最高燃費を追求しない代わりに，コストを下げています。エンジンが大きくなっていますが，このコストアップ分はあまり大きくないので，原価はプリウスからあまり変わっていないでしょう。ということは，プライスが150万円くらい違いますので，原価がほぼ同じで，プライスが大幅に違っていることになります。

●どうしてか？
HSやSAIは，プリウスの赤字を埋めるための商品といえます。プリウスはホンダ・インサイトのため，価格をかなり下げてしまいました。このため原価との差異が大きく，これを埋めるために，高プライスのHSやSAIを投入しなければならなかったといえます。

●HSやSAIは単なるプリウスの赤字対策商品か？
違います。
10数年前に，トヨタはプログレというクルマをつくりました。小さな高級車というキャッチフレーズでしたが，大失敗に終わりました。高級車を表現する言葉として「小さい」は不適当だったのです。一方，「エコ」はどうでしょうか？ 「エコ」なら，環境にやさしく，単に安いイメージではありません。これを当てはめたのが，HSやSAIです。

★プリウスより高級
★クルマは小さいが「エコ」

●GSやISとの差異は？
これらは本来のレクサスブランドで，従来のアリストやアルテッツァからみると，大幅にプライスをあげて利益を稼いでいます。ところが，これらをGSやISにし，レクサス店を設けたのですが，販売量が少なく，レクサス店が廃店の危機になりました。このためレクサス店でも販売台数を稼ぐためと，プリウスの損失をカバーするために作られたのがHSやSAIです。

●添付グラフ
2009年のレクサスの車種別販売台数

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。