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新しいミュルザンヌは、従来のベントレーで言うアルナージの後継車になります。

アルナージはまだロールス·ロイスと会社が一緒だった頃からのモデルで、運転手付きでも使える伝統的なトップモデルです。当時はアルナージの１世代前のモデルをベースにしたコンチネンタル(スポーティなクーペ)、更にそれを基にしたアズール(スポーティなオープン)の２車があり、これがVWの傘下に入った後に一周り小さい新型に変わります。そして、両車と同じサイズのフライングスパーという全くのニューモデルが加わります。本来格下であるメルセデスやBMWとも競合しうる、スポーティな４ドアセダンです。唯一古い世代のままだったアルナージが今回、ミュルザンヌに代わったわけです。

今のベントレーという会社について説明すると、かつてのロールス·ロイス/ベントレーの親会社であるヴィッカーズが会社を売りに出す時に、以前からエンジンの提供などで技術協力をしていたBMWと、後から名乗りを上げたVWとの間で争奪戦になりました。結局は土壇場で買収金額を吊り上げたVWが買うことになったんですが、ヴィッカーズは｢ロールス·ロイス｣というブランドだけを契約内容から外してBMWに売り、両方から儲けを得たのです。BMWは新しい会社と工場をイギリスのグッドウッドという所に建ててロールスロイスを作り、従来の会社はベントレーとしてVWが親会社になったのです。

だからベントレーはVWの傘下であり、資金や技術の援助を受けてはいるものの、自身で車を開発できる体制を持っています。アウディとランボルギーニの関係のようなものと思っていただいていいと思います。