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どちらも個性的で良い車です。目的しだいで決められるのが良いと思いますので、それぞれの短所長所をまずは列記し、どのような人向きか考えを述べます。

ビート

長所： ステアリング、ペダル、シフトレバー、センターコンソール等運転席で扱う全てのものの剛性が非常に高く、軽自動車のレベルを遥かに超えています。特にシフトの操作感覚はNSXをも凌駕します。クラッチはワイヤー式ではなく贅沢な油圧式です。ギア比もクロスと言って、3速は普通の5速車の2速と3速の間で、4速が3速に、5速が4速に対応します。シフトフィーリングでは、ミッドシップカーは多々乗っておりますが、これ以上のものは知りません。ミッドシップカーはミッションまでのワイヤーが長くなるので、速いシフト操作を行うと、2速から3速へのシフトでは「ガッ」とギアなりを起こすのですが、ビートではそのようなことは起こりません。最速のシフト操作でも、シフトが付いてきます。また、シフトレバーの「グニャグニャ」感は全くありません（ミッドシップカー基準の話）。
ペダルのレイアウトも無理なく、ほぼ思いどうりに操作できます。

短所： 非力です。体感的には40馬力ぐらいにしか感じません。高回転エンジン故に室内は非常に喧しく、小声では同乗者と話もできません。この喧しさに耐えかねて手放した人は多数います。また、年間をとおして、ソフトトップを開けることは、精々数回、おまけに後方視界が悪いので、直ぐにハードトップに交換してしまいました。

ミッドシップカーの入門用には最適です。これから運転技術を高めたいと考える人には、非力なエンジンを補って速く走らせる技術が必要ですので、嫌でもそうせざるをえませんし、ミッドシップカーの中では安定した車ですが、それでも他の駆動方式の車とでは全く動きが違います。ミッドシップカーの基本運転技術を身に付け、次の段階へと考えるストイックな人には推薦できます。それ以外の人には単なる喧しい車です。

カプチーノ

長所： エンジン出力です。F6AとK6Aの二つのエンジンが有りますが、資金に余裕があれば、断然K6Aのカプチーノをお勧めします。F6Aは元々高回転型エンジンなのですが、カプチーノに搭載するのにあたっては、低速トルクが太るように吸排気系の改修がなされています。K6AもF6Aもどちらも傑作ですが、もともと高回転を目指さないカプチーノにはK6Aの方が設計上優れていると思います。いずれのエンジンもビートとは比べものにならないぐらい出力が出ています。故にシフトダウンをしなくてもアクセルを踏み込むだけで対応できる場面も多く、この意味で運転は忙しくありません。好き嫌いはあると思うのですが、カプチーノの運転席は、静かですが、非常に狭く感じます。それが良いと言う人にはホールドが良いと言えます。逆にステアリング操作で右手のひじがドアの内側に当たるのが気になる人もいます。

短所： 所詮はFRですのでいくら出力があってもリアタイヤにかかるトラクションは知れています。もちろんFFよりは良いのですが、ミッドシップカーのようなトラクションは得られません。言うまでもなく、RRのように後ろから蹴飛ばされるような加速は期待できません。この点だけに関しては、お勧めはしませんがAZ-1が最も上質な加速をします。
修正は可能ですが、ペダルのレイアウトも今一です。

運転を極めるには素材としてFRでは無理があります。それでも、FFよりは遥かに上質なステアリング操作感や静かで、音楽でも聴きながら、快適な運転をするのであれば、二人乗って更に荷物まで載せられるカプチーノは悪い選択ではありません。

個人的意見ですが、カプチーノなら敢えてATを選び常用車として使用します。半常用半スポーツとしてならMTを選びます。ここでは比較されていませんが、100％スポーツならAZ-1を選びます。ただし、ビートを御せる人にしか絶対推薦出来ません。

参考になれば幸いです。