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プリンタの修理屋です。

認識の誤りがいくつかあります。
「パソコンへの接続が必要で、本体そのものには機能は付いていないのでしょうね。」・・・どちらの機種もパソコンに接続できます。
「キャノンSELPHY ES40とエプソン E-330S のどちらがいいか迷っています。」・・・機械の特性から考えると比較の対象ではありません。

まず、EPSON は専門外のメーカーではありますけど、E-330S は、普通のインクジェットプリンタを写真用紙などの専用としてコンパクトにしたものです。
ランニングコストに関しては、所定の印字サンプルで行っていますので、写真の種類によってはかなり高くなることもあります。
（一般論としては、高めになることが多いです）
ただ、発色を気にしなければ、社外の用紙も使えますので、ランニングコストを下げることは可能でしょう。
当然、インクジェットプリンタですから、たくさん印刷すれば廃インク吸収体の交換などのメンテナンス（修理）が必要になってきます。


それに対して、ES40は昇華型といって、昔のワープロで使っていたインクリボンのようなものを使います。
薄いフィルムに塗布したインクをヒーターで加熱して一瞬に気化させて紙に密着させます。
カラー印刷にはいろんな方式がありますけど、理屈の上では最も画質が良いといわれている方式です。
その証拠に、ES40の解像度は、300×300dpi
E-330Sの解像度は、5760×1440dpI と、ES40はかなり低くなっています。
実は、原理の上では、この程度の解像度で十分な画質が出るわけなのです。

ES40のインクシート（インクリボンの幅が広いもの）は、幅が用紙と同じ幅、長さは用紙の長さの４倍になり、最初のほうからシアンのインク、マゼンタのインク、イエローのインク、表面保護用の透明のインクが塗布されています。
インクシートと専用の用紙がパックになって販売されていますけれど、上記のインクシートが用紙の枚数分だけつながって巻かれているものが入っています。

そう、ES40は（というよりセルフィは）専用の用紙とインクシートしか使えません。
もう一つ、幅方向はフチナシで仕上がるのですけど、長手方向は印刷後に耳を切り離さなければなりません。
きった後が少しガサガサします。
ただ、どんなに濃い画像の写真を印刷しても、ランニングコストは常に一定です。


昔のワープロでも、一度使ったリボンは使えませんでしたね。
印字された文字の部分が透明になって抜けていましたが、インクシートもまったく同じようになります。

以前に一度セルフィを使っていたことがありますけど、画質はPIXUSに比べると非常に軽やかでした。
並べて比較するとインクジェットの画質がべとついた感じで、かなりの差を感じましたね。


確かにランニングコストは高い感じですけど、あの画質と、インクの残量の管理が不要、廃インクシステムが不要で、本体の構造もシンプルなので故障を考えなくても良い。

個人的には大きなポイントと考えますが、世間一般では、「そんなもの買うのなら、普通の複合機を買ったほうがいい」という人が多いのも事実です。
価格はほとんど変わらない、もしくは安くなって、コピーなどにも使える、というのが理由だそうです。
正論ですね。

ある意味、フォトプリンタという商品は非常に贅沢な機械です。