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写真は人間が見ている色を出せません。コンパクトデジカメはもちろん、一眼レフでも、フィルムでもです。人間の眼は常に色を補正しながら見ています。たとえば太陽光の下であるものを見る場合と、蛍光灯の下でそれを見る場合、同じものなのですから当然同じ色に見えますよね。でも写真に撮ってみるとぜんぜん違う色に写る場合があります。これは人間がその物体が何であるか、どういった色なのか知っているためです。太陽光と蛍光灯は光源の色が違うからこういったことが起こるのですが、人間の眼（脳）はそれを知識から修正してみているのです。ですから、色を正確に再現しても、写真である以上その補正は働かないのです。人間はそこにあるものが「写真」だとわかっているからです。私の使っているカメラには太陽光下で測色的に忠実に写す、というモードがありますが、スタンダードモードからやや色が薄くなる程度であまり効果はありません。つまり、色が再現できないというのはお使いのカメラの限界ではなく、写真という分野の限界なのです。しかし、これは逆手に取って楽しむこともできます。デジタル写真の色調は「ホワイトバランス」という設定項目で変えられます。いじってみるといろいろ変わるので試してみてください。たとえば、より赤めに写す「日陰モード」などを使用すれば、夕日の赤みを足すことができます。「白熱電球モード」は、光源が黄色いのを打ち消すためにかなり青く写ります。これで風景を撮影すると寒々とした感じを出せます。写真は絵の一種です。どうせ忠実な色は出せないのですから、好みの色にいじって楽しんでしまいましょう。下の写真は、近所の川の水門近くを撮影したものです。太陽はかなり昇っていたので肉眼では普通に見えていましたが、川の冷たさを表現するためにホワイトバランスを電球モードにし、青く写してみました。なお、オークションの出品用でできるだけ正確な色が必要、という場合は、パソコンである程度色を編集する気で望みましょう。ただし、モニタの色は調整されているとは限らないので、あなたのモニタで忠実な色が出たからといって他の人が同じ色で見ているとは限りません。デジタル写真の色調はあきらめたほうが良いでしょう・・・