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まず、バックアップと引越し（移行）はよく似ていますが、分けて考えてください。バックアップはおおむね、そのパソコンの記録が何らかの理由で消えてしまったときに備え、後で元に戻すための予備を作る、という意味合いで使われる場合が多いようです。

それに対して、移行の場合は、予備ではなく、新しいパソコンに作業などの引き継ぎを行うことを指します。とはいえ、文書や画像、音楽といったデータのみのファイルをもっていくだけであれば、バックアップも移行もほとんど差はありません。

両者とも何か特別なソフトを使う必要もなく、大抵はファイルを（ご質問にあるような外付けHDDなどに）単純にコピーしておけば済みます。もし移行したければ、その外付けHDDのファイルをさらに新しいPCにコピーするだけです。

問題はソフトウェアの場合で、こちらは簡単にはいきません。単にファイルをコピーしただけでは、設定が初期化されてしまったり、正しく動作しません。これは、ソフトウェアの設定の情報がWindowsの内部（レジストリ）などに格納されたり、他のソフトウェアと複雑に連携することによります。レジストリは機械の構成情報なども入っているので、単純にコピーすることができないのです。

ですから、移行にソフトウェアも含む場合は、面倒ですが以前やったようにインストールして、設定して、という流れをもう一度行うことになります。小さなフリーウェアであればファイルをコピーしただけで動くものもありますが、インストーラを使って導入するようなものは大抵駄目です。

幸いなことに、メーラやブラウザなどは、ブックマークやメールをまとめて保存したり、それを読み込む機能が用意されているので、それを使えば移行が楽になるかもしれませんが、必ずうまくいくという保証はないので、慎重に行ってください。

Windowsに搭載されているInternet ExplorerやOutlook Express、Windows メールなどは、メニューの「ファイル」から「インポート」や「エクスポート」という項目が見つかると思いますが、これらはそういった機能を指しています（エクスポートが今の設定やデータをファイルの形にして書き出す機能で、インポートはそれを読み込む機能です）。これで情報をファイルにまとめて移行することができます。

というわけで、移行はなかなか簡単にはいかないのです。