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F31fdが最も評価されたのは｢室内や暗がりでも綺麗に撮れる・被写体ブレに強い｣という点でした。
(他にも500枚以上撮影可能なバッテリーのスタミナなどもありましたが。)
これは、1/1.7インチで630万画素という、比較的大きいCCDながら低い画素数に抑えることで、
高感度撮影でのノイズが少ない、というのが他社との違いでした。
(他社は1/2.5インチで700万画素とか800万画素を出しています。)

富士のFシリーズは、F10からノイズの少ない画質で評判になり、F11、F30、F31fdと出してきて、
室内撮影が多い人(赤ちゃんを撮るとか)を中心に一定のファンがいましたが、
見た目は他社のデジカメより分厚くオシャレとはいえない、マイナーなxDカードを使っている、
などから、キヤノンのIXYやパナのLUMIXに比べ、大ヒットと言えるほどではありませんでした。

F31fdについても、引き続き630万画素、今流行の広角28mmや手ブレ補正がない、相変わらず見た目がダサいなど、
決してトレンドを掴んだ商品ではなく、急に売れ出したのも価格が2万円台になってからでした。
(スペックから言えば、本来は3万円台で売れるべき商品)
ですから、増産してもほとんど利益が出ないのです。

デジカメに限らず、モデルチェンジがあるのでF31fdの生産終了は至極当然で、
みんな後継機種を期待していましたが、その後継であるF50fdは
1200万画素、手ブレ補正つき、薄型ボディ、SDカード対応など、トレンドどおりの一般受けするカメラでしたが、
1200万画素にしたことで最大の売りである｢ノイズの少ない画像｣が損なわれました。

企業がデジカメを売って利益を出すことを考えれば、この選択は間違っていないと思います。
ですが、Fシリーズが好きだった固定ファンの期待を裏切った形でもあるので、
結構叩かれています。
でも、決してクオリティが下がったわけではなく、他所の1200万画素デジカメと比べれば、
むしろいい製品だと思いますよ。

F10、F31fdと使ってきた私は買わないですけどね。