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IS12T は Windows Phone 7.5 の時代の必須要求性能として、CPU に第二世代のシングルコア Snapdragon と 512 MB の RAM、WVGA 液晶ディスプレイを搭載する機種ですが、Windows Phone OS の内部構造が非常に洗練されているおかげで、同様の性能を備えた同時期の Android 機に見られるような、使っていて反応が遅い、鈍い、反応しないといったことはないはずです。当時としては考えられない iPhone に匹敵する滑らかなアニメーションをしてくれます。

ただ、他の Windows Phone ではまず見られない、タッチスクリーン関連の不具合も多く聞かれる機種ではあります。中古で IS12T を購入する場合、タッチスクリーンの初期不良品でないかに注意する必要があります。ディスプレイの発色は少し青みに振れていて、彩度は若干低いですが、本体色がシトラスである場合にアクセントカラーとして選べるシトラスイエローは他に似た色がなくきれいに見えます。

また、この機種は特色として本体の防水機能、32 GB の記憶域と 1320 万画素の CMOS カメラが挙げられます。防水機能は絶対ではありませんから過信は禁物ですが、雨にぬれても心配がいらないというのは安心できるはずです。カメラには 富士通開発の Milbeaut Mobile という画像処理エンジンが搭載されていて、ホビー用にはこれでも充分かもしれませんが、現在のハイエンドスマートフォンと比べてしまうとさすがに性能上見劣りはします。

他にハードウェア上で問題なところといえば、スリープ状態では音量の調節ができないところ、前面にある押し込み型の 3 つのボタンが時として押しにくいところ、などでしょうか。スリープ時の音量調節ができないのは音楽を再生しているときには不便です。大きい記憶容量を備えていてもこの点は少し躊躇しますね。前面に配置された「戻る」、「スタート」、「検索」の 3 つのボタンに関しては、静電容量方式のものとは異なり、物理的に押下するタイプのボタンなので、ボタンの破損や故障のリスクはあります。ただ、押下式のボタンの場合、スタートボタンを押すことでスリープから復帰できるので、そこは利点と言えます。

IS12T がアップデートできるのは Windows Phone 7.8 までであり、現行世代の Windows Phone 8 へアップグレードすることはできませんが、Windows Phone 8 端末との違いも考慮に入れておくとよいかもしれません。Windows Phone 8 ではマルチコアの Snapdragon への対応と、よりパワーの出せるアプリケーションレイヤーの追加、近接通信である NFC や microSD カードへの対応、Bluetooth プロファイルの拡充などが施されています。これにより、Windows Phone 7.5 に比べアプリケーションをさらに高速に走査させたり、NFC で端末同士をタップして Bluetooth のペアリングを行い、連絡先を交換したりといったことが可能となっています。現状はあなたも知っている通り、あいにく後続機種が発売されないところとなっていますが……。

バージョン 7.8 までのアプリケーションレイヤーと 8 で追加されたアプリケーションレイヤーとの間には内部的に大きな違いがあり、8 のものではより多くのことが可能となっていて、最新世代ということもあり、アプリケーションの開発者は Windows Phone 8 向けのみに新機能を提供していく形が多いですね。例えば Microsoft 傘下の Skype でも、Microsoft アカウントによるサインインができるのは今のところ Windows Phone 8 向けのアプリケーションのみとなっています。アプリをバックグラウンドに回した状態で Skype の待ち受けができるのも、OS から提供されている機能の差で 8 向けのみです。

NFC を搭載する機種では電子通貨による決済、Bluetooth 機器とのペアリング、それによる連絡先情報の交換、ブラウザーで開いているページの共有などができます。Windows Phone 8 では Blutooth の機能に OPP (Object Push Profile) が加わり、画像ファイルや連絡先も転送することができるようになりました。

Windows Phone 8 と比べてしまうと、Windows Phone 7.5 は機能的に不充分な面が多いのがわかると思いますが、法律に触れずに無線環境下における が今現在この IS12T だけなので、考えられる選択肢はほぼないことになります。