118

view

プリンタの修理屋です。

基本的には変わっていないと考えても良いでしょうね。
劇的な変化、向上などということはありません。

写真の画質は確かに上がっているはずですが、並べなければ分からない程度の話です。
また、何を持って性能向上というのか、そのあたりも考え方も問題です。

写真を綺麗に印刷するためには、薄めの色のインクで何度も重ねうちをしていくのが基本です。
これによって細かいグラデーションの表現も出来ますし、薄い色を表現するときのドットの間引きの限界も下がります。
「発色特性の向上」というキャッチフレーズで片付けていますけれど、今の機種はそういった傾向があるはずです。
要するに、インク代が跳ね上がっていると考えたほうが良いわけです。

個人的には、（時々書き込んでいるのですが）写真印刷は基本的にやらない方向で考えるべきでしょうね。
仕事とか、どうしても避けられないというのでしたら仕方ないですけど、個人が便利だからといって写真を印刷しまくるというのは、費用を考えてもあまり勧められない話です。


なお、現在のキヤノンとエプソンは簡単に比較できないほど性格が違うといっても良いかも知れません。
染料インクで普通紙に印刷すると、インクが染み込みすぎて、どうしても滲んだ感じになったり、くっきりとした黒にはなりません。
それを押さえるために、黒だけ顔料インクを使ったのが1998年頃からのキヤノンのプリンタでした。
ところが、顔料インクは写真用紙には不向きでしたので、写真のときは３色で印刷していました。
そこで、写真用の染料の黒を加えたのが「Ｗ黒」なのですが、実は2003年発売のPIXUS 860iがそのルーツです。

余談ですけど、その前年に発売されたPIXUS 850i、翌年のPIXUS 560i、その翌年のPIXUS iP3100、2006年発売で原稿機種のPIXUS iX5000のヘッドは共通です。
本当はiX5000のヘッドを過去の機種にも共通使用しているのですけどね。
iX5000の画質は好みの問題はあるにせよ、素人相手ではPro9500（10色顔料）よりもキレイという評価を得たことがあります。
稀な例ではありますけれど、画質向上はたいしたことが無いということの根拠です。


さて、普通紙の印刷がある程度考えられるのでしたら（このことで写真印刷を抑えると、普通紙の比率は上がりますね）、MP640のほうが良いかも知れません。やはり普通使用の顔料インクは魅力です。
ただ、コピーの機能が不要でしたらiX5000が一番ランニングコストが安いです。