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そのアンプがヘッドフォン用の「サラウンドプロセッサー」を内蔵していれば可能です。
しかし、実際にはダメなものが多いです。

そもそも「5.1chサラウンドヘッドホン」は特殊なもの（東南アジアブランド：全部で6つのヘッドフォンユニットで構成）を除けば、それ自体は普通のステレオヘッドフォンです。
ソニーその他が発売しているサラウンドヘッドフォン・システムは「プロセッサー＋ヘッドフォン」で成り立っています。

あなたも経験されていると思いますが、ステレオ音声をヘッドフォンで聞くと「頭の中だけ」で鳴っているように思えます。
というのも左チャンネルの信号は左耳だけで、右チャンネルの信号は右耳だけで聞くからです。

一方、私たちの実空間では
たとえば左側から来た音は、左耳だけではなく右耳にも「左耳で聞く音とは違った形で」到達（伝達）します。
違った形とは「耳たぶの形状、頭の形状；総合して”頭部”と表現」などに起因します。
伝達の様相を調べて、一種の計算式を求めるのが「頭部伝達関数」と呼ばれるものです。
伝達関数がたとえばｆと求められた場合、右耳が聞く音は（模式的に）
R信号＋L信号×ｆ
になります。
というわけで、5.1chのそれぞれの信号から頭部伝達関数を元にプロセッサーで信号処理し、左右二つのヘッドフォンで前後左右の方向感を伴って鳴らすのが、サラウンドヘッドフォン・システムです。