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トヨタのもっかの悩みは、ユーザーの高齢化です。モデルチェンジの度に購入者の平均年齢が5歳ずつ上がっていき、いずれは運転を引退して死んでしまうのです。

そこで購入者の平均年齢を若返らせるべく、スポーツカーの企画がトヨタ社内で上がります。この時に、今でも人気がある昔の"AE86"のレビン/トレノのような小型軽量で安価なFRの車を造ろうということになります。
が、現在のトヨタに「小型・軽量」なFRが造れるシャーシがありません。小・中型車まで全てFF化してしまっているのです。

FRで設計するためにはクラウン/マークXのシャーシしか無く、これでは大きく重くなり過ぎるのです。

そこへちょうど、経営不振に陥っていたGMがスバルの株を手放すことになり、GMと提携をして合弁生産を行っていたトヨタがこの放出する株式を引き受けることになります。
トヨタは、北米でカムリの生産をスバルへ委託していたこともあり、技術者の交流はあったのです。

スバルは、購入者の平均年齢が異様に若いことが特徴で、若者向けの新型車の企画があったトヨタにとっても渡りに船で、開発予算が無いスバルと利害が一致したものです。

ここで小型のFRシャーシが無いトヨタが目をつけたのが、スバルのインプレッサのシャーシ。FFベースではありますが、AWD用のドライブシャフトを通すトンネルがありエンジンは縦置きです。
ここにマークXのFR駆動系を組み込めば、部品コストも落とせると踏んだのです。

これで小型軽量でFR、最低価格は若者が買える200万円以下でAE86のような…というスポーツカーの企画がスタートします。

インプレッサのシャーシとエンジンは水平対向をトヨタの技術で直噴化して燃費を改善、マークXのミッションやドライブシャフトを組み込んで安価に。
だったのですが、実際のところはこれらの融合と新燃費基準のクリアには相当苦労したようで、価格は250万円～となってしまっています。

早い話が、企画と金はトヨタが出してスバルが設計と生産を担当、部品はトヨタのサプライヤー網を使ってコストダウン、という車です。
共同開発ですから、相手先ブランドで供給するOEMとはまた違うものとなります。

86/BRZには4ドアの派生車がスクープで確認されており、このスタイリッシュ4ドアが共同開発第2弾として出てくると言われています。