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会社の同僚は“あなた”に撮影を依頼されたのですから、あなたは最善を尽くして撮影されればいいと思います。
撮影依頼された写真は機材やテクニックよりも、“何が写っているか”が最も重要です。
うまく撮れるだろうか等と心配されるよりも、自分でこれはいいと思ったシーンを確実に撮影できるように準備されたほうがいいと思います。
まず、式まで依頼されたということから、結婚式の全体的な流れが分かるように撮影しましょう。基本は新郎新婦を中心にしての撮影になりますが、例えば、式以前の同僚その他の仲間などの様子も記録しておきましょう。

使用する機材についてですが、普段からそのシーンに応じて各種の設定、補正などをして撮影されておられる場合にはそれでいいと思いますが、そうでない場合には“撮影だけに集中するために”レンズやカメラの設定はできるだけ変えずに撮影されるほうがいいように思います。ついうっかり前の設定で撮影して失敗したというようなことがないようにするためです。

個人的にはキットの短いほうでいいと思いますが、重さが気にならければ18～250でもいいでしょう。
ノンフラッシュ高感度撮影に慣れておられれば、それもいいかと思いますが、そうでなければ基本的に430ＥＸⅡを使用して撮影されたほうがいいでしょう。ノンフラッシュ撮影、天井バウンスなどは十分に時間があるときにすべきでしょう。

フラッシュ（スピードライト）使用時の注意点をまとめておきます。事前に以下の実験をして自分で必ず確認しておいてください。
・基本的にＩＳＯ１００で撮影します。ＧＮ43ですから43を５メートル（距離）で割ると約Ｆ8（絞り）になります。当然感度が２００にすれば光量も２倍になります。このときのＧＮはルート２倍（約４３×１．4）になります。これは光の調整が可能な範囲を調べるときに必要です。

・人物または椅子などを直線上に１メートル間隔で配置し、斜め方向から撮影して見ましょう。撮影者は一番手前の人物から１メートルはなれ、奥の人物が画面の中央に来るようにして撮影します。
この場合、手前と奥の人物の光量差は約３絞り以上になります。
画面内に被写体以外の人物やモノがある場合でそれらが被写体より近距離にあれば被写体はアンダーになりがちです。
遠くから撮影すれば不要なものが画面内に入りやすいのでできるだけ近距離から撮影しましょう。近距離で撮影すればフラッシュの発光間隔も短くなりますのでシャッターチャンスにも強くなります。

なお、このような場合も遠くから撮影すれば人物の光量差は小さくなります。円形に並ぶ人物などの撮影にはある程度の距離をとって、やや上方から撮りましょう。
（上で、人物等で撮影できない場合には壁などを利用して正面や斜め方向から撮影しましょう。）

・白とびなどを確認するために、白い壁などが画面内で半分以上占めるようにして人物を撮影してみましょう。極端に白とびや人物の顔が暗くならないようでしたら、撮影ごとに露出補正するよりは補正はプリント時に任せて撮影に集中したほうがいいかもしれません。（ＲＡＷで撮影すればある程度は現像時に補正可能です。）

・次に背景の処理ですが、人物を壁より３メートル離して人物から１メートルの距離で撮影すれば壁は暗くなることはもうお分かりだと思います。人物を壁にくっつけて撮影すれば壁も同じ明るさで撮影できます。必ず背景との距離も考慮して撮影しましょう。

最後に、私が全日写連に入会したばかりの頃、周りは営業プロ、またはそれ相当の実力の方ばかりで、各種のコンテストなど、ようやく現像ができるモノクロ部門では到底太刀打ちできませんでした。しかし現像を自分でしないカラー部門では最高の推薦を頂いたことがあります。撮影だけに限定させれば、写真の価値はその人の感覚やセンスなどで決まります。
あなたは自分が良いと思ったシーンを確実に写すように心がけてください。そのシーンをどのように切り取るかですが、まず重要なのは撮影位置です。そしてレンズは何ミリがいいか、新郎新婦の表情を中心に撮影するか、その場の状況も背景に入れたほうがいいか等を常に考えながら撮影してください。
時間的に余裕があれば必ずひとつのシーンを上のようにして変えて撮影しておきます。後でそのうちから最も良いと思うものを採用するわけです。

・記録するためのメモリーや、電池などは予備を十分に用意しておきます。