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まず『善意の第三者』というのは、民事上の用語で刑事事件では用いません。質問者様のいう善意の第三者を装った人は、『盗品とは知らない者』ですね。まず、横領犯本人が転売した場合。横領犯が、行為後に横領物を費消したり、処分するのは『不可罰的事後行為』といい、罪になりません。つまり、横領罪のみの成立です。不可罰的事後行為とは、当該犯罪を犯したものに期待可能性(正しい行為に出るという可能性)ないとして、事後の犯罪行為(盗品の転売)について問わないというものです。たとえば、犯罪類型に、証拠隠滅というのがありますよね？しかし、これは犯人に協力した第三者がした場合をいいます。実行犯本人が、犯行の後に、証拠を隠滅するのは当然(証拠を残す、正しい行為をするという期待可能性がない)罪に問われません。次に、『盗品とは知らない者』が転売した場合。盗品とは知らない者と証明されれ(検察官が『盗品だと知っていたないし、知らなかったといえない』という立証ができなかった場合)ば、この者は不可罰になります。ただし、盗品とは断定できなかったが『盗品かもしれないな』という未必の故意があった場合には、故意(盗品だと認識していた明確な意思があるものと同じ)だったと看做されます。証明されなれば、つまり『盗品だとは知らなかった』といえないと検察官が立証した場合、この者は、『有償処分のあっせん(10年以下の懲役及び50万円以下の罰金)』となります。また、横領犯とこの者が、通謀していた場合は、共犯として、詐欺や横領の罪に問われる可能性もあります。そもそも質問者様が、遺失物横領といっていますが、本当にそうですか？ 背任罪や業務上横領等を含む横領罪は、その分別が弁護士でも難しいのですよ。