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プリンタの修理屋です。

軽自動車とカローラを比べるような話ですね。本来は比較の対象になりえない機種です。

単純に見た目の画質などでは大きな差は出ないかも知れません。
MP630の方がスペックも機能（使わないかも知れませんが）も上ですので、MP630を選択しておけば間違いないでしょう。
自動両面印刷とCD-R印刷が不要ならMP540という選択肢もあるでしょう。


MP630の一番の特徴は、５色の独立インクシステムです。
普通紙用と写真用で２種類の黒インクが装備されています。

理屈の上ではシアン、マゼンタ、イエローの３色ですべての色が表現できます。黒は３色を同量混ぜると出来るのですけど、理論上の完璧な色材が無い、３色のインクを噴射するためインクの量が多くなり紙が吸収しきれずに滲む、などの理由で黒インクが装備された４色モデルが一般的です。
ところが、この黒は普通紙印刷用の場合が多く、写真印刷では３色で合成していました。
当然、黒の部分のしまりが甘かったり、紙の種類によっては妙に乾燥が遅かったり（インクの水分を吸収してくれない）などの現象がありました。

余談ですけど、フォトシアンとフォトマゼンタを加えた６色機もありましたが、これは細かい階調表現をするために薄いインクで何度も重ね打ちをする機械でした。やはり紙の種類によっては乾燥が悪くなることがありました。


最近の機種ではインクの粒が小さく出来るようになりましたので、フォトインクの機種は急速になくなりました。
ただ、プロ用の機械では現在もあり、こだわった画像を作る場合は有効なようです。
また、インク滴サイズはMP630が１pl（ピコリットル）、MP470が２plなのですが、最上位クラスのPro9000が２pl、Pro9500が３plですので、単にインク滴サイズで画質が決まるわけでもありません。


最後に、へそ曲がりな意見。
インクジェットプリンタは長い間使わないと内部でインクが乾燥してしまいヘッドが詰まってしまうことがあります。
普通はヘッドを手配して自分で交換するか、メーカーに修理に出すかです。

MP470はヘッドとインクが一体型になっています。インクを交換するとヘッドも新しいものになり、新品のときの画質に戻るわけです。
ただ、その分インク代が割高というのも事実です。

しかしながら、年に一度年賀状程度しか使わないというのでしたら、MP470をお勧めします。
割り切って、仕様前にインクを１セット新しいものをおごるだけです。メーカーの直販では4,415円（BC-70＋BC-71）です。
MP630用を１セット購入すると4,840円です。
５色と４色、封入量の差など色んな要素もあり断言は出来ませんけど、使用量が少なければインク代の差は微々たる物です。

そこそこ使うのでしたら独立タンク系の機種を選択するのが良いでしょう。