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７年落ちで１万５千キロっていうのは、掘り出しものを見つけましたね。

まず、その車の整備点検記録簿を見てください。車には必ずついています。それを点検すれば、新車当時から現在まで、いつどこでどういう整備を受けてきたのかが記されています。１２カ月ごとにきちんと整備・点検を受けていて、その１２カ月ごとの走行距離が合っていれば、７年落ちの１万５千キロという数字を信じることができます。問題なのは、「中抜け」と言われる、間が何年間からごっそり抜けている場合。つまり、新車から３年分くらいはきちんと記録簿の記載があるけど、その後５年くらい何の記録もなく、最近の記録がついている、なんて場合です。これだと、メーター戻し（走行距離を巻き戻してしまうんです）をやられている可能性がゼロではありません。
次に、記録簿に記載された整備記録をじっくりと見てください。消耗品が定期的に交換されていれば、愛情を持って接してもらっていた車だということが分かります。

次に車の外観を見ましょう。特に注意して見てほしいのが、スポット溶接部分と、車の下回りです。トランクやボンネットの縁部分のスポット溶接が、等間隔できちんと並んでいれば、修理歴がない可能性が高いです。逆に、スポット溶接の深さがチグハグだったりすると、大がかりな修理を受けている可能性が大です。下回りをのぞいて、丹念に塗装を点検してください。色合いにムラがあったら、間違いなく修理した痕跡です。
さらに、ドアやボンネットなどのチリ（鉄板と鉄板の透き間です）を見てください。すべて等間隔なのが当たり前です。もしも、少しでもゆがみがあるなら、間違いなく修理歴があります。当然、車を見に行くのは晴天の日、です。曇天だと、色合いは見えませんから。

次に、車のエンジンルームをのぞいてください。７年分の汚れがあるなら、スチーム洗浄されていない車と見ていいでしょう。逆に、妙にエンジンルームがキレイな場合、その車はスチーム洗浄を受けています。何百度という高温の蒸気で汚れを洗い落としています。単に汚れだけ落ちるならいいんですが、グリスも洗い落としてしまい、しかも電気関係にも容赦なく蒸気を浴びせられた車ですので、後々、電気関係で泣くことになるかもしれません。

いよいよ、車に乗り込んでください。タバコ臭くありませんか？ 禁煙車が希望なら、灰皿を引き抜いて、濡らした脱脂綿で中をぬぐってみてください。ヤニが付いたら、１００％喫煙車です。喫煙車でもかまわない場合、床やシートを点検してください。焦げがありませんか？ ダッシュボードやコンソールパネルのひび割れはありませんか？ 電動窓の全部のスイッチをいっぺんに作動させてみてください。きちんと４枚のドアが一緒に作動しますか？ ハンドルを握って、強めの力で前後に揺すってください。ガタガタするようだと、ハンドルに大きな力がかかった（つまり、事故って運転手がハンドルにたたきつけられた）可能性があります。

さあ、エンジンスタートです。いまの時期は寒いので、４０分くらいはエンジンをかけっぱなしにしてみてください。オーバーヒートの症状がちょっとでも出るようだと、即刻、購入はやめましょう。

発進させてください。ごく浅く、アクセルを踏んでください。１速から２速にシフトアップする際、妙な振動が起きませんか？ ガクンという妙な振動がある場合、オートマチック・トランスミッションがへたっている可能性があります。
４０キロくらいで走行して、真っすぐで真っ平らな道路で、手を離してみてください。ハンドルが左右に取られるようだと、事故経験があるか、あるいはホイールアライメントが狂っている可能性があります。
ハンドルから手を離した状態で走行し、強めにブレーキを踏んでください。真っすぐ減速しないようだと、ブレーキが片効きしている可能性があります。

とまあ、いろいろ点検項目はあるんですが、上記の条件をきちっと満たせば、まあ、及第点ですかね。

あと、その車がディーラー車なのか、それとも並行輸入車なのかは、調べてください。並行輸入車なら、きちんとメンテナンスを任せられる整備工場を知っている、なんてことのない限り、やめた方が無難でしょう。

ちなみに、００年代以降のＢＭなら、メンテ費用は国産車の１～２割増しくらいで十分、収まるはずです。