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ランチアが採用しているディーゼルエンジンは，マルチジェット2と呼ばれるタイプで，基本的にはフィアット製のエンジンです。
ヨーロッパではガソリンエンジンよりも需要が多いため，ディーゼルエンジンの技術は日本製のモノよりはるかに進んでおり，日本人が抱くディーゼルのイメージとはかなりギャップがあります。
特にフィアットグループはコモンレール式のインジェクションを世界で初めて採用するなど，ディーゼルエンジンの開発に熱心なメーカーとして知られていますね。
デルタに採用されているディーゼルエンジンは，長年に渡り定評のあるマルチジェットエンジンを進化させたディーゼルパティキュレートフィルターを備える最新の第二世代コモンレール式で，クリーン性も高く，振動や騒音の面でもガソリンエンジンと遜色ないレベルまで進化しているエンジンです。
近年の，新世代のフィアット系列のエンジンは信頼性も高く，エンジンそのもののトラブルはほとんど無いと言っても良いと思います。
また，輸入車の場合，特に発生しやすいトラブルはエンジンの電装系でエンジン本体が原因のケースはほとんどありませんが，ディーゼルエンジンは構造上，ガソリンエンジンに比べ電装系の構造が単純でトラブルが少く信頼性が高いのですが，フィアット製のディーゼルも信頼性に関しては問題ないレベルだと思いますよ。
ランチアですと，輸入元が多くのケースの場合にガレージ伊太利屋になると思いますが，イタリア車の輸入では老舗ですからパーツやバックアップ体制に関してはそれほど心配する必要は無いと思いますよ。

最近のフィアットのエンジン革新は世界中のメーカーが注目するほどで，独創的なマルチエアエンジンやコンパクトな２気筒エンジンのツインエアエンジンなど，ハイブリッド以外は平凡な技術しかない日本製のエンジンがかなり古くさく見えてしまうほどです。

国産ですと，ようやくヨーロッパレベルに追いついた新世代ディーゼルはRVのエクストレイルとパジェロくらいで，あとは商用車ベースのモノがある程度ですから，乗用タイプとなるとなかなか選択肢がありませんね。

スバルと，ホンダはヨーロッパ向けになかなか優秀なディーゼルエンジンを持っていますが，ホンダの方は現行の基準はクリアできても，次の世代の排ガス基準をクリアできないみたいです。
日本のメーカーは極論的に言うと電気とハイブリッドだけに特化してしまい，通常のエンジンに関しては技術投資を怠ったために，もはや通常のエンジンでは最先端レベルにギリギリ残れている程度になってしまいましたので，今後の巻き返しが重要になってきますね。