kaya_ffさん
画質は、買う前に拘るけど、買ったら拘らない人が大半です。わざわざ画質が悪くなる高倍率ズームを買ったり、純正レンズは高いからと、シグマやタムロンを買ったり。まあ、今は純正もすべて良いとは言えない時代ですが。
画質が何で決まるかというと、初心者の場合は手振れと無理な光線状態です。カメラの性能以前の写真を撮っている人が多い。シャッターを切るときは、カメラを動かさずボタンだけを押す。これが基本ですが、初心者はそれが出来ません。なんとなくくっきり写っていないのは、レンズの性能ではなく、たいてい手振れです。まず、カメラの構え方とシャッターの押し方から練習しましょう。
光線状態も大切で、良い写真を撮ろうと思ったら、ちゃんと光を読むこと。照明が出来るものなら、光の当て方です。パソコンで見るだけの写真、例えばオークションの出品なら、コンデジでもライティングが上手なら、とても良い画質に見えます。知恵袋でも、オークションの写真を撮るためのカメラは何を買えば良いか、という質問が頻繁にあります。照明の工夫をせず、カメラで決まると思っている人が多い。
機材が画質に影響するのは、初心者の域を脱してからです。画質は、手振れやピンボケが無ければですが、レンズとイメージセンサの性能のうち、悪い方で決まります。キットで付いて来るレンズは、それで画質を評価されるので、カメラメーカーも手を抜いてはいませんが、かと言って安くないと売れないので、それほど良いレンズでもありません。悪い方で決まると書きましたが、画質に拘るなら、どのボディを買うかよりも、どのレンズがどんな値段であるかが重要です。ボディが画質に影響を与えるのは、それなりのレンズを使ってからの話です。
イメージセンサが大きいほど画質が良い。これはカメラ界の迷信です。フィルムの時代は、フィルムフォーマットと画質がある程度連動していました。もちろん、それなりのレンズを使った上での話です。フィルムは、同じ銘柄のフィルムを使う限り、単位面積当たりの銀粒子の数が一定です。解像力を上げるには、レンズ性能が十分であれば、あとはフィルムの面積を大きくするしかありません。
しかし、デジタルの場合は、画素を小さく出来ます。こういう話をすると、Rayleighの式がどうのこうの、という意見が出そうですが、Rayleighの解像力の式が効いて来るのは、半導体のステッパや(玩具じゃない)顕微鏡の場合であって、カメラの場合はまだそこまで行っていません。話を元に戻して、デジタルはフィルムと違い、フォーマットを大きくしなくても、ある限度までは解像力を上げられます。そして、その解像力は、A3程度のプリントでは分かりません。パソコンはプリントより肌理が粗いので、畳ぐらいのモニタでも分からないと思います。ただし、レンズの良し悪しはもっと小さなプリントでも分かります。
イメージセンサを大きくする利点は何か、と言えば、画質ではなく、感度が良くなることです。
とここまで書いたら、こんな時間になりました。続きは帰宅後です。結論は、他人に勧めるなら、E-P5、自分で買うならGF6です。理由は夕方書きますね。
【つづき】
で、感度はどのくらい良くなるかと言えば、上で述べたようにイメージセンサの面積に比例して、たった1.6です。カメラが捉える光の量は、夏の晴天の日中と明かりの付いた室内で、8000倍くらい違います。それだけ違うので、写真の世界では明るさを等比級数で表します。明るさが2倍になれば1段、4倍になれば2段、8倍になれば3段です。8000倍を段数で表すと13段。1.6倍は2/3段=0.66段です。シャッター速度を1/60秒から1/40秒に変えても2/3段です。つまり、センサを大きくしても、それほどの効果がありません。
雑誌や比較サイトでは、暗所耐性などという言葉を使って比較記事を書きますが、現実の暗さの前にはその程度は焼け石に水です。もちろん、コンデジとは大きく違います。一般的なコンデジと比べて、マイクロフォーサーズはセンサの面積が8倍ですから、違いは少なくありません。8倍なら、センサが大きいほど画質が良いと言えますが、1.6倍ではドングリの背競べです。
センサを大きくすると、不利になる点もあります。レンズが巨大になります。面積の1.6倍の違いは体積の2.0倍の違いです。相似形を保ったままセンサを大きくすると、レンズは加速度的に大きくなって行きます。それでは重いというので、NEXはレンズを小さめに作りました。すると、どうなるか。レンズの性能が劣ってしまいます。NEXにも、それなりの大きさで作ったレンズはあります。
http://review.kakaku.com/review/K0000281850/それと同じ画角、同じF値のレンズがこれです。
http://review.kakaku.com/review/K0000439789/大きさもさることながら、値段も倍近く違います。つまり、センサの大きさには最適値があり、それは各自の体力と経済力に比例します。力とお金に恵まれているなら、大きければ大きいほど良いかもしれません。しかし、今度は写される人の問題が生じます。レンズは生き物の目と同じです。カラスを追い払う目の形をした大きな風船のように、生き物は目を恐れます。人間も同じです。大きなレンズを向けられれば緊張します。
センサーが大きいほど画質が良い。これは間違いです。しかし、間違いを信じさせようとすればひと言で済みますが、なぜ間違いかを説明しようとすると長くなります。だから、信じる人が多いのかもしれません。
AF速度も、何々方式だから速いというと、それだけで信じてしまう人がいます。候補にはありませんが、ニコンの像面位相差は速いです。ただし、室内だととたんに遅くなります。で、同じ名前の像面位相差は皆速いか。そんなことはありません。ニコンは画素を削ってまで位相差検出素子をイメージセンサの上に置きましたが、ソニーとキヤノンはそこまでしていません。恐らく特許の問題だと思います。像面位相差だから速いのではなく、ニコンの方式が速いだけです。キヤノンの例があるので、動画を見てください。キヤノンX6iのハイブリッドAFとパナソニックG5のコントラストAFの比較。
http://www.youtube.com/watch?v=p4G0Z-_9--w右側のG5では、触ると同時にピントが合い、シャッターが切れます。まさに、目にも止まらぬ速さです。左側のX6iでは、非常にゆっくりとした動きです。ブラックアウトの時間もかなり長くなっています。動画では650Dと言っていますが、これは欧州でのEOS Kiss X6iの名称です。
個人のアフィリエイトサイトの素人の翻訳を引用している回答がありますが、もとのNew York TimesやUSA Todayの記事を直接読んでみてください。アジアでは軽いことで女性に大人気のミラーレスカメラが、なぜかヨーロッパやアメリカではシェアが伸びない(売れていないのではなく、一定数のシェアで頭打ちになっている状態です)。アメリカ人は、その良さに気付いていないのではないか、というどちらかというと、ミラーレスカメラの存在をアピールする内容です。
http://www.nytimes.com/reuters/2013/08/08/technology/08reuters-nikon-earnings.htmlhttp://www.9news.com/rss/story.aspx?storyid=341211ということで、レンズの種類の多さと値段の安さで、オリンパスのE-PL5を勧めます。個人的には、パナソニックのGUIが使い易いと感じているのと、その中で一番AFが速くて動作がキビキビしているのとで、GF6が好きです。
私はキヤノンのフルサイズという、APSの2.5倍の面積のセンサのカメラを使っていますが、別にセンサが大きいからという理由ではありません。昔買ったレンズがそのまま使えるからです。ミラーレスはパナソニックのGF3を使っています。比較対象は、ソニーとオリンパスでした。当時はどちらもAFが遅かった。今はオリンパスのAFもパナソニックに並んだと言われるし、レンズが大きいので動作が遅かったソニーも、像面位相差の採用でそれほどストレスを感じない速度になったようです。
久しぶりに長い回答を書きました。以前、他の方の回答で同様に長文なのがありましたが、質問者のコメントに「長すぎて読む気もしない」とあったのを思い出しました。私もそうだけど、後で誰かが検索で見付けて読んでくれることを期待して、皆さん長い回答をしちゃうんですよね。