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「GT-R」はスカイラインの最高グレードのモデルに与えられるグレード名です…でした。

1969年のスカイラインに、レーシングカーのエンジンを積んだのが最初で、当時のレースで常勝ポルシェを破り49連勝するなどの向かうところ敵無しで大活躍します。これで、外見は普通のセダンでエンジンがレース仕様であったため「羊の皮を被った狼」と称されるようになります。
セダン=グランツーリスモ(GT)と、レーシングエンジンのRから、GT-Rとなります。

1973年以降、日産はスカイラインにこの"特別な"「GT-R」のエンブレムを付けることを封印します。どんなにハイパワーなエンジンを積んでいてもGTSまでだったのです。

これが1989年のR32型で復活します。そのままR33型、R34型でスカイラインの最上位グレードとして、また日本車最速のモデルとして君臨します。現在でも市販車公道最速などのギネス記録を持っているモデルもあります。

ここでこの第2世代のGT-Rは輸出をされていませんでしたが海外でも人気が高く、並行輸入されて高値で取引がされていた現実がありました。
このため日産は、R35モデルから輸出をすることにします。

この時に、日産ブランドではなく日産の高級車チャネル「インフィニティ」ブランドで発表する予定だったのです。
当時、日本でもレクサスに続いて日産もインフィニティを展開しようとしており、2007年の開業の目玉一発目として期待されていたのです。

ホンダがNSXをアキュラNSXとして海外で販売して、ブランドイメージの構築に成功していたためにそれを真似たかったようです。

このためGT-Rはスカイラインから分離、「インフィニティGTR」とハイフンも外して独立した車種となるはず…でした。
ところがここで、レクサスが開業でコケたことから日本国内で高級車の今後の市場は小さいと判断、インフィニティの立ち上げが白紙撤回されます。同時期にホンダも、2008年に予定していたアキュラの日本展開を白紙としています。

これで宙に浮いてしまったのが「GTR」で、日本国内は日産ブランドで販売するしかなくなります。海外がインフィニティとなるとブランドイメージとしては好ましくないため、統一して「日産GTR」という現在は"車名"になりました。

昔のGT-Rと、今のGTRの違いにはこういったスカイラインの歴史と日産のお家の事情が関係しています。