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タイトコーナーブレーキング現象と言います。
センターデファレンシャルギアがないことが原因です。
あとで説明しますが、ないことが悪いことにつながるわけではありません。

2輪駆動車で円を描く時を想像してください。
タイヤの内側と外側で、描く円の直径が異なります。
つまり、内側と外側でタイヤの回転数が異なることになります。
しかし、タイヤを回すエンジンは一つ。
なので、回転数の多い方（外側のタイヤ）に、動力を伝えるデファレンシャルギア（差動歯車）が間に入っているのです。
（以下デファレンシャルギアは「デフ」もしくは「デフギア」と省略します。）

この「回転数の差」は、左右だけでなく、前後でも発生します。
そのためフルタイム四駆の場合は、前後の回転数を吸収するセンターデフが存在します。
しかし、パジェロミニはパートタイム四駆ですので、四駆に切り替えるのは悪路の場合と想定できます。
なので、ある程度はタイヤがスリップするので、なくても問題ないと言えます。
つまり、タイトコーナーブレーキング現象は、グリップ状態の良い場合に起きる現象です。

また、悪路を走る場合、ない方がよいケースがあるのです。
通常のデファレンシャルギアの場合は、負荷が軽い方、先ほどの例だとカーブの外側の車輪に駆動力が伝わります。
フロント、センター、リアと3カ所にデフギアがあった場合、悪路の走行中に1輪浮いてしまうと、そこが空回りするだけで、
他の3輪には全く駆動力が伝わらなくなります。
しかし、センターデフがない場合、たとえば後輪の片側が浮いたとすると、反対側の後輪には駆動力が伝わりませんが、前輪にはちゃんと駆動力が伝わります。
その分、悪路の走破性能が高まるのです。

余談になりますが、そのように悪路の走行にはデフギアの働きが邪魔になるケースがあります。
そのため、デフロックと言って差動の働きを殺す機能が付いていたり、リミテッドスリップデフ（LSD）と言って、ある程度差動を吸収するけど、ある程度以上回転数の差が大きくなると、負荷が高い方にも駆動力を伝えるデフギアが採用されている場合もあります。